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低額譲渡について、個人間の場合

2017年7月14日 [最終更新日]2020年1月20日 

カテゴリー:会計

前々回(低額譲渡①)は、個人から法人への低額譲渡を、前回(低額譲渡②)は、法人から個人へ、また、法人から法人への低額譲渡について取り扱ってきました。今回は、低額譲渡シリーズの最後、個人から個人への低額譲渡についてご説明させていただきます。

 

※取引の売買金額が時価よりも低い取引を「低額譲渡」といいます※

 

個人間の売買は、前述の3例のように法人が関係するものではないため、年に一度の決算で互いに低額譲渡の件が表面化することが少なく、問題が長期間据え置かれがちです。

 

「売る側」個人「買う側」個人

「売る側」個人→取り扱いは、「低額譲渡とは」における「売る側」個人の処理と同様です。基本的には、実際に売った金額ではなく、時価により売ったものとして取り扱います。時価から、買った金額と譲渡費用の合計金額を引いた、「もうけ」の部分(譲渡所得)に税金(所得税)が課されます。給与所得及び退職所得以外の所得の金額(譲渡所得はここに含まれます)の合計額が20万円を超える場合は、確定申告をしなければなりません。

 

ただし、時価よりも低い金額で売ったとしても、その対価が時価の2分の1以上であれば、実際に売った金額を取引金額とすることができ、取引金額から買った金額と譲渡費用の合計金額を引いた、「もうけ」の部分(譲渡所得)に税金(所得税)が課されます。

 

例1:時価が100万円の資産(買った金額と譲渡費用の合計金額45万円)を60万円で売った場合
 売った金額60万円≧50万円(時価の2分の1) ⇒ 60万円で取引と認められる
 60万円―45万円=15万円<20万円(他に所得なければ確定申告必要なし)

 

例2:時価が100万円の資産(買った金額と譲渡費用の合計金額45万円)を40万円で売った場合
 売った金額40万円<50万円(時価の2分の1) ⇒ 100万円で取引の扱いとなる
 100万円―45万円=55万円≧20万円(確定申告必要)

 

「買う側」個人→この場合の個人は、「買う側」が法人である場合(法人税法)とも、また、「売る側」法人、「買う側」個人である場合の個人(所得税)とも異なり、贈与税に基づいて取り扱いが決まります。
贈与税(相続税法)では、「時価より著しく低い価額で譲り受けた場合には、その譲り受けた金額と時価との差額分は、贈与により取得した(もらった)」ものとして、税金(贈与税)がかかります。この「時価より著しく低い価額」を判断するにあたり、「売る側」における「時価の2分の1以上」の基準は、税法が異なる(「売る側」は所得税法、「買う側」は相続税法における贈与税)ため、適用することはできません。
この判断基準においては、法律上は明確に規定されておらず、「著しく低い価額」としか記載されておりません。「時価の2分の1以上」であっても、著しく低いと認定され、税金がかかるケースが多くございます。
個人間取引でしばしば見られる土地の売買にあたっては、一般に路線価を80%で割り戻した価額を目安として「著しく低くない」とする場合もあるのですが、これは一つの基準であって、法律上正解が保証されたものではありません。
そのため、第三者を介して評価をしてもらい、契約書を交わして保管することをお勧めします。

 

まとめ

3回にわたり、4種類の低額譲渡についてご説明してきましたが、市場における第三者を介さない取引においては、相手方の形態、ご自身との関係を吟味したうえで計画を立てること、また、取引価額の決定にあたり、適正な時価を評価した上で文書化を怠らないことが重要です。

 

特に取引金額が大きい資産の売買にあたっては、想像をはるかに上回る税金があとあと課される可能性があるため、行動に移される際はぜひご相談ください。

 

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