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2018年12月26日 [最終更新日]2019年10月2日
消費税率10%へ引き上げと合わせて、2019年10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます。
以前のコラム「消費税率は2019年から10%に、中小事業者の軽減税率制度について」では事業側の税率についてご説明しましたが、飲食料品を買うときにもどこまでが軽減税率制度の適用で消費税率8%となり、どこからが適用されずに消費税率10%となるのか気になるところ。
軽減税率の対象はどのように判断されるのか、想定して国税庁のHPや税務署の方に確認いたしましたのでご説明します。
テイクアウトや宅配は軽減税率の対象で8%となり、レストランなどの外食やケータリング(有料老人ホームなどでの飲食料品提供と学校などの給食は除く)は対象外で消費税率10%となります。
ビールなど酒類(アルコール)を除く飲食料品は軽減税率の対象で、それ以外は基本的に対象とはなりません。
軽減税率8%の対象は飲食料品であり、生きた鮮魚も食用であれば対象となります。
しかし、熱帯魚など観賞用の魚は軽減税率の対象外です。
また、食用の家畜である肉用牛や食用豚などは、生きている時点では食品と判断されず、軽減税率の対象にはなりません。
お肉としてパックなどに詰められて販売される場合には、軽減税率の対象となります。
それでは、外食についてテイクアウトやイートインは、どのように軽減税率の対象となるかを判断するのでしょうか。
軽減税率の判断をする際には、外食かどうかが基準としてあります。
外食の定義としては、「飲食店業などの事業を営む者が行う食事の提供」とされています。
つまり、飲食設備があれば外食と判断され消費税率は10%に、飲食料品の提供のみであれば外食と判断されずに軽減税率8%が適用されます。
基本的に、牛丼店やハンバーガーショップなどでのテイクアウトは軽減税率の対象となり、消費税率8%で購入することが可能です。
ただし、牛丼店やハンバーガーショップで購入した後、店内飲食をする場合には消費税率は10%で課税されます。
また、お寿司屋さんの店内で食事をした場合には10%課税ですが、お土産を購入して持ち帰る場合には軽減税率の8%課税となります。
それでは、この軽減税率の対象となるかどうかは、場所や物の問題なのでしょうか。
この軽減税率の適用は、「飲食料品の譲渡」であるのか、「食事の提供」であるのかで判断されます。
フードコートでの飲食は、基本的に食事の提供となり消費税率10%が課税されます。
では例えとして、ハンバーガーショップでテイクアウトとして軽減税率8%で購入した後に、フードコートを利用して飲食した場合はどうなるのでしょうか。
また、ホットドッグやサンドウィッチなどテイクアウトが前提の商品を軽減税率8%で購入して、フードコートを利用することもあるかもしれません。
フードコートなどではたくさんの飲食店が入っているため、金額の設定については十分に考えておく必要があるでしょう。
もう1つ基準となるのは、返却が必要な食器などの容器に入っているかどうかです。
返却しなければいけない容器に入れて飲食料品を提供する場合には、軽減税率は適用されずに10%の課税となります。
例えばフードコートに関しては、返却が必要なトレーなどで軽減税率が適用されるかどうか判断されるでしょう。
返却する必要のないものは、テイクアウト商品として軽減税率8%となることが考えられます。
それでは、具体的な飲食店や外食産業から軽減税率についてご説明します。
軽減税率8%となるのか、消費税率10%となるのか、具体的な飲食店や外食産業、飲食料品から考えてみました。
コンビニは購入後に持ち帰るため、基本はテイクアウトとなっていますので、消費税率は8%で購入できます。
ですが、最近ではイートインコーナーもあり、イートインであれば店内飲食になるか判断は際どいところ…
コンビニで購入した惣菜や弁当などをイートインコーナーで食べても、購入する際に持ち帰りである意思表示をすれば、コンビニは「飲食料品を譲渡」しただけとなり、店内飲食とはならずに軽減税率が適用できるようです。
屋台として思い浮かべるのは、福岡は中洲に連なる屋台ではないでしょうか。
おでんやとんこつラーメン、モツ煮など美味しそうなものがお手軽に食べられますが、テイクアウトか外食か判断が難しいところ。
テーブルや椅子が付属していれば外食と判断できそうですが、立ち飲み屋台であればテイクアウトとも外食とも判断し難いかと思います。
屋台や出店に関しては、飲食するための場所が設置されていれば外食として消費税率10%が適用されます。
テーブルのみやイスのみであっても飲食設備とみなされ、食事の提供に該当します。
お祭りなどにおける出店の多くはテイクアウト前提であるため、軽減税率8%が適用となることが考えられます。
さて、映画館で販売しているポップコーンやジュースなどの飲料食品は軽減税率の対象となるのでしょうか。
国税庁は、映画を鑑賞しながら飲食するポップコーンやジュースは、軽減税率8%の対象になるとしています(*ビールなどアルコール商品は軽減税率の対象外品目)。
ただし、売店の前などに設置された食事用のテーブルやイスで飲食する場合や、飲食メニューが設置された映画館内の座席で注文して飲食する場合には軽減税率の対象にはなりません。
弊社のインスタでよくアップされているスタバのフラペチーノなどに関しても、テイクアウトとイートインがありどのように判断されるか気になるところ。
これらも、テイクアウトで軽減税率8%が適用され、イートインで消費税率10%となります。
ただし、このような飲食店に関しては税込価格が統一されることが考えられるでしょう。
この税込価格の統一については、また後ほどご説明します。
海の家での課税もまた難しいところ。
テーブルやイスなど飲食用のスペースが用意されている海の家では、食事の提供となり消費税率は10%となります。
浜辺などで食べる用にテイクアウトで購入する際には、軽減税率8%が適用されます。
飲食することを前提とした屋形船やディナークルーズの場合、そこで購入する飲食料品やビュッフェの消費税率は10%となります。
ただし、屋形船の中に飲食料品を販売する場所があり、テーブルや椅子などが用意されていない場合には、軽減税率8%が適用されるでしょう。
日本では昔から親しまれている、甘味を提供する飲食店の茶屋。
茶店とも呼ばれ、店頭で購入したものを、店先のベンチなどで食べるのが一般的かと思います。
さて、この趣き深い文化であるお団子屋さんなど茶屋は、軽減税率の対象となるのでしょうか。
購入後にベンチで食べる場合には消費税率10%に、テイクアウトする場合には軽減税率8%の適用となることが考えられます。
消費者からすると、テイクアウトと伝えて軽減税率8%で購入して、ベンチなどで食べるということも起こりそうですね。
休日に軽トラ販売されていることの多い石焼き芋などは、テイクアウト前提のため軽減税率8%が適用されます。
具体的なテイクアウトとイートインの境界についてご説明してきました。
しかし、以下の場合も想定されますが、これらはどのように判断されるのでしょうか。
テイクアウトとイートインを同時に行っているスタバなどでもありそうですが、購入時にはテイクアウトと伝え、店内で食べる場合どうなるのでしょうか。
テイクアウトの商品には軽減税率8%が適用され、イートインの商品には消費税率10%が適用され、消費者側からすると不公平感があり、飲食店側としても困ってしまうかと思います。
このような場合を想定しますと、税込価格を統一するという方法をとる飲食店が多くなるかもしれません。
ランチカーといえば、中のセントラルパークでは平日のお昼には、ランチカーが軒を連ねてお弁当を販売しています。
このお弁当はテイクアウト前提で販売されていれば、軽減税率が適用されます。
さて、このランチカーで購入したお弁当を、もともと公園に設置されているベンチやテーブルで食べる場合にはどうなるのでしょうか。
ランチカーが販売していた場所の目の前に、偶然食事できるスペースがあっただけですので軽減税率が適用されることが考えられます。
ですが、ランチカーの販売業者がテーブルやイスなどを設置していた場合には、軽減税率は適用されないでしょう。
消費税の軽減税率制度が導入される前に、飲食店は軽減税率の対策をしておく必要があります。
販売する飲食料品や販売方法が、軽減税率制度の対象となるかきちんと確認しておきましょう。
商品や販売方法による消費税の計算方法などについても確認し、レジに混乱を来たすことが考えられる場合には、販売方法や価格表示についても検討することをお勧めします。
軽減税率の対象品目と対象外品目の両方を販売する場合には、消費税込みの価格を統一した方が計算もしやすく、レジでもスムーズに販売できるでしょう。
例えば税抜価格100円の商品を販売する場合、イートインで軽減税率の適用とならない場合には消費税率10%が適用され、税込価格は110円となります。
この商品がテイクアウトで軽減税率8%が適用される場合、税込価格は108円となりますが、税込価格を統一するために税抜価格102円・税込価格110円で販売するなどして、税込価格を統一する方法もあります。
国税庁のHPでも、
こちらを参考として、ぜひ価格についてご確認ください。
消費税率10%となるのに合わせて導入される、消費税の軽減税率制度。
これらにより、飲食店などの経理はとても難しく、ややこしくなることが想定されます。
税計算や申告の誤りが多発することも考えられ、多くの飲食店に税務調査が入りやすくなることもあるでしょう。
税務調査が入り追徴課税とならないためには、税の専門家である税理士などに相談し、しっかりと対策しておくことをお勧めします。
当税理士法人フォーエイトでも、経理のご相談や経営など幅広くご相談を承っていますので、ぜひご連絡ください。
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