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税制適格ストックオプションの違い

今回は、前回ご説明させていただいたストックオプション制度をめぐる税務会計の続きとなります。
ストックオプションのメリットは、どの方法においても同じでというわけではありません。お得なストックオプションと、そうでないものがあります。

 

ストック・オプションの税務

ストックオプション制度は、権利行使により株式をあらかじめ決められた価額で購入できる制度のため、株式の時価上昇時でも決まった価額で購入できます。そのため、株式の購入時の時価と、それよりも低い価格で購入した金額との差額分は、「もうけ」と考えられます。
「もうけ」について税金が課される、という一般的な税金の考えから、本来は行使した側に税負担がかかるものとされています。
これは、購入価額より高い時価で売却した場合の「もうけ」についても同様です。

 

ただし、税務上、優遇措置をうけることのできる方法もあります。
この方法は、「税制適格ストックオプション」と呼ばれています。

 

税制適格ストック・オプションと税制非適格ストック・オプションの違い

税制適格ストックオプションと税制非適格ストックオプションの違いを、順を追って見ていきます。

 

① 購入金額が確定した株式購入権を取得したとき(会社がストックオプションを付与したとき)

税制適格・非適格に関わらず、税金は発生しません。取得された方は、株式を購入する金額と、それを購入する権利を与えてもらいました。しかし、将来の行使時の株式の時価がわからない以上、「もうけ」を認識することができません。そのため、税金は発生しません。

 

② ①の確定した購入金額で株式を購入したとき(ストック・オプション権利行使)

税制適格・非適格で取扱いが大きく異なります。

 


・税制適格の場合・・・税金は発生しません。時価の方が大きい場合、時価と権利行使価額との差額が「もうけ」とはなりますが、課税はされませんので、優遇された取扱いとなります。


・税制非適格の場合・・・時価の方が大きい場合、時価と権利行使価額との差額「もうけ」に対し、所得税(給与所得)・住民税が課税されます。

 


権利行使の時点では、「もうけ」といえどキャッシュインがないため、この時点で課税されてしまうとキャッシュアウトのみ発生することになり、負担となります。
また、「給与所得」に追加されてしまいますので、他の給与所得等に合算されます。所得が増えるほど税率が増す所得税の場合、住民税と合わせると約15%~約55%の範囲内で、段階的に税率アップに影響してしまう可能性があります。

 

③ ストック・オプションで購入した株式を売却したとき
・税制適格の場合・・・売却時価の方が大きい場合、売却時価と権利行使価額との差額「もうけ」に対し、所得税(譲渡所得)・住民税が課税されます。
・税制非適格の場合・・・売却時価の方が大きい場合、売却時価と権利行使時の時価との差額「もうけ」に対し、所得税(譲渡所得)・住民税が課税されます。

 

税制適格の場合は②権利行使時点では課税がなく、③売却時点で売却時価と権利行使価額との差額に課税されるのに対し、税制非適格の場合は②権利行使時点で時価と権利行使価額との差額でいったん課税、③売却時点でとの売却時価と権利行使時の時価との差額に課税されます。税金が課される「もうけ」の範囲は同じに見えますが、税制適格はすべての「もうけ」が譲渡所得として課税されるのに対し、税制非適格は②の時点で給与所得として課税され、③の時点で譲渡所得として課税されます。
譲渡所得の税率は、所得税と住民税をあわせて約20%となりますので、②でご説明した給与所得よりも税率が下がる可能性があります。そのため、譲渡所得として取り扱われる範囲が多い税制適格は、税制非適格よりも税負担が軽くなる可能性があります。

 

今回は税制適格ストック・オプションが優遇されていることについての解説でしたが、税制適格の取扱いを受けるには一定の条件を満たす必要があります。この条件につきましては、次回以降でご説明させていただきます。

 

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